シーリングとは、SEAL(シール・密封)が語源となっている建築施工材料で、建築物の部材と部材との接合目地に、主として止水を目的として専用のガン等により充填します。
現在の主な材料については
JIS(JIS A 5758 建築用シーリング材)に規定されており、シーリング材を充填する目地の設計に関しては、
JASS(日本建築学会建築工事標準仕様書)に示されています。
施工はシーリング材を特殊なガンで充填し、ならすだけであるが、その前に目地の形状や寸法の確認、テープ養生処置、適正プライマーの塗布等の準備作業が必要で、これらの施工技能に関して、「技能検定制度」にシーリング施工技能士(1級、2級)の水準が設けられています。
(2013.7)
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シリコーン系
ガラス廻りや浴室や洗面などの水廻りに適しています。
耐久性〔耐熱性や耐寒性)は抜群ですが、
塗膜との相性は最も悪いため、そのうえから塗装する場合は使用を避けなければなりません。
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変成シリコーン系
サイデイング目地ややタイル面、石面に使用される頻度が高く、
耐久性に優れているため、シーリング仕上げの上から塗装しない場合にもお勧めできるシーリング材です。
サイディング改修時など上から塗装する場合は塗膜との密着が弱いことと、ブリード(塗膜の汚染)が起きてしまうのでシーリング材の上にプライマーを塗る必要があります。
最近では、ノンブリードタイプの変成シリコンが開発されましたので、サイデイングの改修時に耐候性及び塗膜の非汚染性の視点から最も効果を発揮している製品と言えます。
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ポリサルファイド系
耐候性及び基材に対する
非汚染性に優れていることから、タイルや石材の目地に適しています。
《関連記事》
★サッシ廻りのシーリングは以前はポリサルファイドがほとんどだったが、最近は変性シリコンが多い。
こちら。
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ポリウレタン系
外壁モルタル面のVカット補修やサイディング改修やALC、RC改修時に使用される頻度が高く
耐久性及び塗膜との密着が優れています。
但し、多くのウレタンシーリングが紫外線に弱い※ため、上から塗装しない場合はお勧めできません。
(※メーカーによって耐候性に優れたシーリングも開発されています。
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アクリル系
ALCの新築時に使用される頻度が高く、コストパフォーマンスに優れているといえますが、改修時では耐久性の視点からあまりお勧めは出来ません。
☞参考 安田塗装二代目ブログ
「青は藍よりも青し」
外壁がタイルのマンションで最も使用されているシーリング材が、「
ポリサルファイド系」になります。タイルとタイルとの間の「目地」と呼ばれる部位に使用され、
非汚染性に優れるというメリットがあります。
また特に動きの大きい窓枠廻りの金属の間には、
柔軟性に優れる「
変成シリコーン系」が使用されます。
しかし実際の工事では、「ポリサルファイド系」と「変成シリコーン系」を使い分けることが困難な場合が有り、
タイル目地とサッシ廻りの両方に「変成シリコーン系」が使用されることが多くあります。
外壁が塗装仕上げの場合、「ポリウレタン系」を使用し、シーリングの上に塗装を覆いかぶせます。「
ポリウレタン系」は、
シーリング表面の塗装との付着性が良く、完全にシーリングが硬化した後も、手で触ると表面がベタベタしています。
☞参考
大規模修繕コム>シーリング工事について
そのほか
☞参考 二面接着と三面接着・シーリング施工手順など→
おい川塗装店ページ
目地設計・モジュラス・ブリード汚染など→
おい川塗装店ページ
(2013.7)
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