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マンションの防水工事

防水とは

防水とは、建物を雨漏りから防ぐために、建物の中に水が入りこまないようにする仕組みのことです。
雨漏りの原因は、①水があり、②水路(みずみち)があり、③水を動かす重量などの力が作用するためですが、防水工事で①・②にしっかり対応することで、建物を水漏れから守ります。

勾配屋根 ①水があることを防止する
雨水をすぐ下に流し、水の存在を無くす。
陸屋根(ろくやね)②水路を防止する
マンションのような陸屋根は平らであるため排水しにくく、水がたまりやすい。
様々な要因でコンクリートに亀裂が入り、そこから水が浸水してしまうため防水層が必要となる。

防水とは
防水は建物の構造自体も守ります
防水は、建物を雨漏りから防ぐだけでなく、建物の構造自体を守っています。
建物構造の代表である鉄筋コンクリート構造は、鉄筋が弱アルカリ性に覆われ、錆から保護されていますが、コンクリートの表層から空気中の炭酸ガスなどが侵入すると、化学反応により、コンクリートのアルカリ性は失われ(中性化)、内部の鉄筋は錆びやすくなります。
その結果、コンクリートが破損したり、コンクリート中の成分が染み出す現象(エフロレッセンス)が起こり、建物の劣化が進んでしまいます。
このような構造劣化を防ぐ意味でも、防水はとても重要な機能です。
中性化 参考:田島ルーフィング㈱発行「「防水」改修読本」
(2009.7)
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防水の種類と内容

防水工事にはさまざまな種類があり、用途に応じた工法で施工されています。

塗膜防水(塗る 工法)
現場で液状の防水材料を塗り、化学反応で防水の膜をつくります。
フェンスの基礎があって細かい作業が必要な屋根やベランダなど、歩行を伴う場所の防水に有効です。
現場施工のため、一定の厚みの確保が難しい面がありますが、さまざまな場所で施工できます。

塗膜防水
アスファルト防水(塗る・貼る 工法)
旧約聖書のノアの箱舟にも登場する、世界最古で最も信頼性の高い防水材料がアスファルトです。
液状の溶解アスファルトと、防水性の高いアスファルトシートを積層し、厚みのある防水層をつくります。
二層以上の積層工法が原則で、水密性・耐久性とも高く、施工の不具合が出にくい工法です。
アスファルト溶融時に、臭いと煙が発生するため、近年の改修工事では、建物を利用しながらの作業環境に対応した冷工法(※1)・トーチ工法(※2)もあります。
仕上げは、防水層の上をコンクリートで保護する押さえコンクリート仕上げと、砂の付いたシートで仕上げる露出仕上げの2タイプがあります。

アスファルト防水
施工の様子
(画像参考中央工業建材㈱HP

アスファルト防水
※1:冷工法とは
 従来のアスファルトよりも耐久性を向上させた、改質アスファルトを原料としたシート
 を、裏面に付いているゴムアスファルトの粘着材で貼り付けていく工法。
※2:トーチ工法とは
 冷工法と同じく、耐久性の高い改質アスファルトを原料としたシートで、裏面をトーチ
 バーナーと呼ばれる大型バーナーであぶって貼り付ける工法。

シート防水(貼る 工法)
ゴムや塩ビ(塩化ビニル)でできたシートを下地に貼りつければ完成します。
最大のメリットは簡便性です。
一方で外部損傷にやや弱く、施工管理がより重要になってきます。

シート防水
参考:田島ルーフィング㈱発行「「防水」改修読本」
(2009.7) 
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防水層の耐用年数

防水層の種類により、標準耐用年数は次のようになっています。

防水層の耐用年数

参考:田島ルーフィング㈱発行「「防水」改修読本」
(2009.7)
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納まりとは

防水層の裏側に水が回り込まない仕組みをつくることを「納まり」といいます。

納まり
笠木部分にひび割れが多く発生している場合、雨水が浸入しやすくなっています。
このような場合は対策として塗膜防水を新設し、アゴテープ(※)などで笠木に水切りをつけます。
水切り
※アゴテープとは
 笠木部の見つけ面に貼る事で簡易に水が切れるようにできるウレタン防水専用の
 水切りテープ。

参考:田島ルーフィング㈱発行「「防水」改修読本」
(2009.7)
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防水改修3工法の比較

改修工事では、材料を選定する前に、どのような工法で改修するか決めておく必要があります。
現状の防水層を剥がしてやり直す「撤去工法」か、現状の上に新規防水層をかぶせる「かぶせ工法」か、それとも下地に穴を開けて新規防水を固定する「機械的固定工法」か、それぞれの特徴を見てみましょう。

撤去工法
既存防水層を全面撤去し、新築時の下地に新規防水層を施工する。
この工法のメリット
・新規防水に様々な工法の選択が可能。
考察
 既存防水層が撤去すべき状況の場合は、撤去工法を採用しながら、次回改修時に
 にはかぶせて改修が可能な仕様を選定するとメリットがある。

かぶせ(再生)工法
既存防水層の不良部のみを撤去し、適切な下地処理を施した上で、新規防水層をかぶせて施工する。
この工法のメリット
・騒音、振動が少ない。
・撤去工法に比べ、工期短縮が可能。
・撤去工法に比べ、安価。
・既存の防水性能が期待できる。(機械的固定工法は既存防水層の機能が完全に
 失われる。
・産業廃棄物が少ない。
考察
 既存防水層を再度下層防水層として利用しながら新規防水層を形成するため、信
 頼性・耐久性が高い。現在の防水改修の主流。

機械的固定工法
かぶせ工法の一種。既存防水層の上から、下地に穴を開けて新規防水層をアンカー固定する。
この工法のメリット
・撤去工法に比べ、工期短縮が可能。
・下地処理が簡略化できるため、安価。
・産業廃棄物が少ない。
・ALC(※)など下地構造の問題を除き、既存防水層との相性を考慮せず、採用が可
 能。(かぶせ工法の場合は相性を考慮する必要有り。)
考察
 既存防水の状態が非常に悪い場合は、メリットあり。次回改修は原則撤去工法に
 なる。
※ALCとは:Autoclaved Light-weight Concreteの略で、軽量気泡コンクリー
  トのパネルのこと。外壁材に用いられることが多い。

防水の3工法

参考:田島ルーフィング㈱発行「「防水」改修読本」
(2009.7)
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