マンションとペット



ペットに関する標準管理規約の内容

ペットの飼育について、マンションでは一般的にどのように規定しているでしょうか? 標準管理規約では第18条(使用細則)関連でペットについて言及があります。
規約第18条では、「対象物件の使用については、別に使用細則を定めるものとする。」とし、コメントで次のように記載しています。

標準管理規約コメント 第18条関係(②・③)

犬、猫等のペット飼育に関しては、それを認める、認めない等の規定は規約で定めるべき事項である。
基本的な事項を規約で定め、手続き等の細部の規定を使用細則等に委ねることは可能である。
なお、飼育を認める場合には、動物等の種類及び数等の限定、管理組合への届出又は登録等による飼育動物の把握、専有部分における飼育方法並びに共用部分の利用方法及びふん尿の処理等の飼育者の守るべき事項、飼育に起因する被害等に対する責任、違反者に対する措置等の規定を定める必要がある。

ペット飼育を禁止する場合、容認する場合の規約の例は、次のとおりである。

ペットの飼育を禁止する場合
 第◯条(ペット飼育の禁止)
 区分所有者及び占有者は、専有部分、共用部分の如何を問わず、犬・猫等の動物
 を飼育してはならない。ただし、専ら専有部分内で、かつ、かご・水槽内のみで飼
 育する小鳥・観賞用魚類(金魚・熱帯魚等)等を、使用細則に定める飼育方法によ
 り飼育する場合、及び身体障害者補助犬法に規定する身体障害者補助犬(盲導
 犬、介助犬及び聴導犬)を使用する場合は、この限りではない。

ペット飼育を容認する場合
 第◯条(ペットの飼育)
 ペット飼育を希望する区分所有者及び占有者は、使用細則及びペット飼育に関す
 る細則を遵守しなければならない。ただし、他の区分所有者又は占有者からの苦
 情の申し出があり、改善勧告に従わない場合には、理事会は、飼育禁止を含む措
 置をとることができる。

ネコのイラスト
(2009.11)
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ペット飼育を認める行政の動き~「集合住宅における動物飼養モデル規定」(東京都)~

日本では、全世帯数のうち約38%が集合住宅に住んでいます。
都市部はさらに多くの人がアパートやマンションなどの集合住宅に暮らしています。
ちなみに東京23区内では集合住宅の占める割合は約70%にも上ります。

多くのアパートやマンションの管理規約の中に、ペットの飼育禁止が定められていますが、実際はペットを飼っている人たちも少なくありません。
そのような実状をふまえて、ペット飼育を認める動きが行政で始まりました。

平成4年、東京都動物保護管理審議会では「東京都における動物の適正飼養の推進策について」の答申が出され、集合住宅でのペット飼育について、ルールづくりが必要であるとの提言がなされました。
これを受けて、東京都は平成6年、行政として初めて「集合住宅における動物飼養モデル規定」を作成しました。

この規定では、他の居住者等に配慮する事項として
・ペットの毛や羽等の飛散を防止すること
・排泄物の衛生的な後始末をすること
・共用部分では抱きかかえたり、ケージ等に入れること

などを挙げ、また「飼い主の会」を設けることなどが定められています。

参考:コンパニオンアニマルリサーチ発行「集合住宅で犬や猫と暮らす」より
(2009.11)
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集合住宅で飼いやすい犬種

コンパニオンアニマルリサーチでは、集合住宅で比較的飼いやすい代表的な犬として次の犬種を紹介しています。

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
警戒心は少なく、無駄吠えもあまりしません。
性質はおだやかで、飼い主によく従います。

シーズー
従順で扱いやすいです。感情の起伏が多少ありますが、体も丈夫で、目のケアに注意すれば病気もあまりありません。

ダックスフンド・スタンダード、ダックスフンド・ミニチュア
(スタンダード:大き目の小型犬・短毛と長毛)(ミニチュア:小型犬・短毛と長毛)
従順で丈夫です。非常に利口で訓練にもよく応え、きちんとしつければ、無駄吠えも少ないです。飼い主に対しては、非常に献身的です。

狆(チン)
長毛ではあるが、抜け毛、体臭は少ないです。性質はおとなしく飼いやすいです。

パグ
無駄吠えが少なく、遊び好きだが少々頑固です。

パピヨン
穏やかな性質です。吠えたり、噛み付いたりすることが少なく、陽気で活発です。

ラブラドール・レトリーバー
やさしく忠実で落ち着いた性質です。
盲導犬としての活躍はよく知られ、従順で信頼できる性質を表しています。

飼育しやすい犬
参考:コンパニオンアニマルリサーチ発行「集合住宅で犬や猫と暮らす」より
(2009.11)
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