劣化診断



外壁塗膜付着力試験

塗膜付着力試験は既存塗膜の付着強度を確認する試験です。
付着力が低下した塗膜の上から新規塗膜を重ね塗りすると、新規塗膜の「重量」や「凝集力」により、新規塗膜が剥離する危険性があるからです。

試験の流れ
  1. 2液エポキシボンドを使用し、外壁にアタッチメントを接着する。
  2. アタッチメントの4辺(周辺)に切り込みを入れ、アタッチメントを引張り、付着力を測定する。
塗膜付着力試験
<劣化状態の判定>
JIS A 6909(建築用仕上塗材)の「付着強さ」の品質規定に準ずることが多い[参考]。

参考:マンションリフォーム技術協会HP「既存塗膜の品質確認方法について
(2010.9)
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タイル付着力試験

付着力が低下したタイルを放置すると、落下の危険性があります。タイル付着力試験では、塗膜付着力試験と同様、既存タイルの付着力を確認します。

タイル付着力試験
<劣化状態の判定>
国土交通省大臣官房官庁営繕部監修の『平成13年度版建築工事共通仕様書』の第11章・タイル工事で規定されている陶磁器質タイル張りの引張接着強度0.4N/mm2以上であれば合格の判定とします。

参考:マンションリフォーム技術協会HP「既存塗膜の品質確認方法について
(2010.9)
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コンクリート中性化試験

中性化とは、二酸化炭素によって生じる、鉄筋コンクリートの劣化のひとつです。
コンクリートは主成分がセメントであるため、内部がアルカリ性となっていますが、外部からの雨や炭酸ガスの侵入によって中性になると鋼材の不動態被膜が失われ、耐腐食性が低下します。
その結果、鉄筋に錆が発生し膨張へと進行、被りコンクリートの剥落が生じ、危険が伴います。この状況を確認するための試験が「中性化試験」です。

試験の流れ
  1. コンクリートコアをドリルで抜き取る。
    中性化試験
  2. 抜き取りの跡にフェノールフタレイン1%アルコール溶液を噴霧し、その色で中性化の進行を測定します。写真のように赤紫色に変色しているところほどアルカリ性が保たれています。
    中性化試験2
    中性化試験3
  3. 取り出したコアにフェノールフタレイン液をかけてみます。
    表面に近いところ程、変色が薄くなっており、それだけ中性化が進んでいる事がわかります。
    中性化試験4
参考/建築診断協会HP

深度と試験後の対応について

何センチまでが判定「良」で何センチ以上が「不良」という事ではありませんが、一般的に考えるなら、鉄筋のかぶり厚み以上の中性化深度は危険な状態です。
またそこまで達していなくとも5cm以上の中性化深度は要注意で、これ以上の中性化が進まないための外壁補修をすべきでしょう。

また中性化が進んでしまった建物を再アルカリ化する工法なども有りますがかなり高価な工法で一般の集合住宅やビルでは使用されていないようです。
いずれにしろ、10年ないしは15年に一度といわれる外壁塗装の改修時には中性化深度を測定し、中性化が見られたら、これ以上の中性化進行を防ぐための対策を立てる事をお勧めします。
参考/(有)ユネットHP

(2010.10)
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シーリング調査① 引張試験(ダンベル試験)

既存のシーリングの状態を確認するために行います。現状のシーリングを撤去後「ダンベル状」にカットし、引張試験機にかけて破断するまで引張り、シーリングの伸び等を調べます。

シーリングダンベル物性試験
参考/日本ハウズイング㈱作成資料
(2010.11)
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シーリング調査② デュロメーター法

シーリング材にデュロメーター(硬度計)という測定器をを押し当て、硬さを測定します。非破壊で目地に押し当てる場合と、採取したシーリング材で測定する場合があります。

デュロメーター法
☞参考 富士建築センター㈱>劣化診断業務
(2013.7)
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外壁の劣化状況 確認項目

鉄筋発錆によるコンクリート欠損状況
【要因】
  • 亀裂などから下地内部への雨水や一酸化炭素の浸入
  • 内部鉄筋の「錆」や「腐食」による膨張
  • 被りコンクリートの破壊
重度の場合は鉄筋が露出した状態となる(爆裂現象)。

爆裂
ひび割れの発生状況
【要因】
  • コンクリートの乾燥に伴う収縮、建物の挙動
  • コンクリート自体の劣化

浮きの発生状況
【要因】
  • タイル目地部への雨水の浸入
  • タイルと下地モルタルの接着力の低下
パルハンマー(打診棒)を転がし、その音でチェックします。

打診棒 パルハンマー
漏水・エフロレッセンスの発生状況
【要因】
  • 上階床の撥水・防水性能の低下
  • 上階床からの「貫通亀裂」
エフロレッセンスについて

塗膜劣化・タイル汚れの発生状況
【要因】
  • 雨垂れや排気ガス、錆汁等の付着、菌類の繁殖

鉄部の劣化状況
【要因】
  • 雨、紫外線照射、一酸化炭素

シーリング材の劣化状況
【要因】
  • 紫外線照射、雨、一酸化炭素
硬化、亀裂、破断を調べます。

シールの劣化状況
ひび割れの発生状況
【要因】
  • コンクリートの乾燥に伴う収縮、建物の挙動
  • コンクリート自体の劣化

ひび割れの発生状況
【要因】
  • コンクリートの乾燥に伴う収縮、建物の挙動
  • コンクリート自体の劣化

参考/日本ハウズイング㈱作成資料
(2010.9)
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