被災マンション法(被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法)


被災マンション法とは

平成7年1月17日に発生した阪神・淡路大震災後に公布された法律で、正式名称を「被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法」といいます。

建物が全壊した場合には、区分所有関係も消滅し、区分所有法の適用がない状態となります。民法の規定では、マンションを再建築するためには全員の同意が必要となってしまい、誰かひとりでも同意が無い場合には再建が進まない、といった弊害が生じ、作られました。
条文は第6条までと附則から成り、内容のほとんどは区分所有法を読み替えて準用するというかたちになっています。

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再建集会

政令指定災害により、建物が全壊した場合において、当該建物の敷地利用権が数人で共有する所有権その他の権利(借地権等)であるときは、その権利を有する者
(以下「敷地共有者等」という。)は、政令の施行の日から3年以内に、区分所有建物を再建するための集会「再建集会」を開催することができます(法2条1項 3条1項・5項)。
以下の手続については、それぞれ区分所有法を読み替えて準用されています。

招集通知
(区分所有法35条を読み替え準用します。但し、1項但書、3項、4項は準用しません。)
集会の招集の通知は、会日より少なくとも一週間前に、会議の目的たる事項を示して、各敷地共有者等に発しなければならない。
  1. 一の専有部分を所有するための敷地利用権に係る敷地共有持分等を数人で有するときは、前項の通知は、第四十条の規定により定められた議決権を行使すべき者(その者がいないときは、共有者の一人)にすれば足りる。
  1. 第一項の場合においては、その議案の要領をも通知しなければならない。

招集手続の省略
(区分所有法36条を読み替え準用します。)
集会は、敷地共有者等全員の同意があるときは、招集の手続を経ないで開くことができる。

議事
(区分所有法39条を読み替え準用します。)
集会の議事は、この法律に別段の定めがない限り、敷地共有者等の議決権の過半数で決する。
  1. 議決権は、書面で、又は代理人によって行使することができる。
  2. 敷地共有者等は集会の決議により、書面による議決権の行使に代えて、電磁的方法によって議決権を行使することができる。

議決権行使者の指定
(区分所有法40条を読み替え準用します。)
一の専有部分を所有するための敷地利用権に係る敷地共有持分等を数人で有するときは、共有者は、議決権を行使すべき者1人を定めなければならない。

議事録
(区分所有法42条1項から4項を読み替え準用します。)
集会の議事については、議長は、書面又は電磁的記録により、議事録を作成しなければならない。
  1. 議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、又は記録しなければならない。
  2. 前項の場合において、議事録が書面で作成されているときは、議長及び集会に出席した敷地共有者等2人がこれに署名押印しなければならない。
  3. 第2項の場合において、議事録が電磁的記録で作成されているときは、当該電磁的記録に記録された情報については、議長及び集会に出席した敷地共有者等の2人が行う法務省令で定める署名押印に代わる措置を執らなければならない。
書面又は電磁的方法による決議
(区分所有法45条1項から3項、5項を読み替え準用します。)
この法律により集会において決議をすべき場合において、敷地共有者等全員の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議をすることができる。ただし、電磁的方法による決議に係る敷地共有者等の承諾については、法務省令で定めるところによらなければならない。
  1. この法律により集会において決議すべきものとされた事項については、敷地共有者等全員の書面又は電磁的方法による合意があったときは、書面又は電磁的方法による決議があったものとみなす。
  2. この法律により集会において決議すべきものとされた事項についての書面又は電磁的方法による決議は、集会の決議と同一の効力を有する。
  3. 集会に関する規定は、書面又は電磁的方法による決議について準用する。

議事録等の保管及び閲覧
(区分所有法33条1項本文、2項を読み替え準用します。)
議事録等は、敷地共有者等で再建の集会の決議で定める者が保管しなければならない。
  1. 前項の規定により議事録等を保管する者は、利害関係人の請求があったときは、正当な理由がある場合を除いて、議事録等の閲覧を拒んではならない。

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再建決議

再建決議においては、敷地共有者等の議決権の5分の4以上の多数で、再建決議をすることができます(3条1項)。
再建決議においては「新たに建築する建物の設計の概要」、「再建建物の建築に要する費用の概算額」、「再建建物の建築に要する費用の分担に関する事項」、「再建建物の区分所有権の帰属に関する事項」を定めなければなりません(同条2項)。

再建決議は、区分所有建物の滅失に係る災害を定める政令が施行された日から起算して3年以内に行わなければなりません(同条5項)。
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敷地共有持分等の売渡し請求等

区分所有法における「建替え手続」に関する以下の規定を読み替えて準用します。
(区分所有法63条1項、2項、3項、4項前段、6項、7項)
再建の決議があったときは、集会を招集した者は、遅滞なく、再建の決議に賛成しなかった敷地共有者等(その承継人を含む。)に対し、再建の決議の内容により再建に参加するか否かを回答すべき旨を書面で催告しなければならない。
  1. 前項に規定する敷地共有者等は、同項の規定による催告を受けた日から2月以内に回答しなければならない。
  2. 前項の期間内に回答しなかった第1項に規定する敷地共有者等は、再建に参加しない旨を回答したものとみなす。
  3. 第2項の期間が経過したときは、再建の決議に賛成した敷地共有者等若しくは再建の決議の内容により再建に参加する旨を回答した敷地共有者等(これらの者の承継人を含む。)又はこれらの者の全員の合意により敷地共有持分等を買い受けることができる者として指定された者(以下「買受指定者」という。)は、同項の期間の満了の日から2月以内に、再建に参加しない旨を回答した敷地共有者等(その承継人を含む。)に対し、敷地共有持分等を時価で売り渡すべきことを請求することができる。
  1. 再建の決議の日から2年以内に建物の再建の工事に着手しない場合には、第4項の規定により敷地共有持分等を売り渡した者は、この期間の満了の日から6月以内に、買主が支払った代金に相当する金銭をその敷地共有持分等を現在有する者に提供して、これらの権利を売り渡すべきことを請求することができる。ただし、建物の再建の工事に着手しなかったことにつき正当な理由があるときは、この限りでない。
  2. 前項本文の規定は、同項ただし書に規定する場合において、建物の再建の工事の着手を妨げる理由がなくなった日から6月以内にその着手をしないときに準用する。この場合において、同項本文中「この期間の満了の日から6月以内に」とあるのは、「再建の工事の着手を妨げる理由がなくなったことを知った日から6月又はその理由がなくなった日から2年のいずれか早い時期までに」と読み替えるものとする。
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共有物分割請求の禁止

敷地共有者等は政令施行の日から1月を経過する日の翌日以降、施行の日から3年を経過する日までの間は、一定の場合(5分の1を超える議決権を有する敷地共有者等が分割の請求をした場合、その他再建の決議ができないと認められる顕著な事由がある場合)を除いて、敷地共有持分等に係る土地又はこれに関する権利について、分割の請求をすることができない(法4条)。
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