マンションの耐震問題 2



耐震補強の方法

一般的な補強としては、壁を増設する、壁の開口部に「鉄骨ブレース」を設置する、鉄板や繊維を巻いたり太くすることで柱を補強する、といった方法があります。

耐震補強の方法
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「耐震構造」「制震構造」「免震構造」とは

現在、建築物における地震に対する構造的な考え方とし『耐震』『制震』『免震』の、3つの考え方があります。
『いったい何がどう違うのか?』3つの意味について簡単に説明をしてゆきたいと思います。
耐震構造とは
「耐震構造」と呼ばれる(「新耐震設計法」建築基準法、1981年改正)建物は、震度4-5弱の地震に対してはほとんど損傷を受けず、震度5強以上の強い地震であっても倒壊を防止するレベルで造られています。地震に耐えるよう構造部を強靭・堅固に造り、建物全体で地震エネルギーを受けるので、その分、倒壊しません。ただし室内の損傷が大きい危険性があります。
制震構造とは
建物に地震エネルギーを吸収する機構などを取り込んで、建物の揺れを抑える構造です。
参考>「3М」ホームページ内>「制振ダンパーとは」
免震構造とは
文字通り振動を免れる方法です。建物全体を、柔らかいクッションのような免震装置の上に載せることによって、地震の激しい衝撃をやわらげる構造です。免震構造にはかなりのコストがかかり、建物の完成後も免震装置の定期的なメンテナンスが必要なので、その費用もかかります。

耐震・免震・制震 (2009.7)
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マンションの地盤調査とN値

マンションの地盤調査は、一般的に「標準貫入試験(SPT試験)」という方法が用いられます。
これは、一定の力でパイプを30cm地中に貫入させるために必要な打撃回数から地盤の硬さを測るもので、この打撃回数が「N値」となります。
したがって、N値は大きいほど硬い良い地盤で、小さいと軟らかい地盤ということになります。

マンションの基礎は「良好な地盤に達していなければならない」と建築基準法で定められていますが、「良好な地盤」とは、N値が50以上あるものをいいます。

マンションの支持層(※)としては「N値50以上が5m以上続いている」ことが一般的に必要とされる数値です。
※建物の重さに充分耐えられる地層
マンションと支持層
管理組合で保管している「竣工図書」の中に「構造図」があります。
ここに地盤調査(ボーリング調査)のデータがありますので、確認してみましょう。

(2009.7)
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○マンション例

170戸 精密耐震診断費用→400万円 結果:IS値足りず→複数の建設会社に診断結果を見せ、提案をもらい最終的に2億円で改修
(2007.2)