管理費・修繕積立金・使用料


修繕積立金を組合員に一部返金することは可能か?

返金は可能か?なお、管理規約では「区分所有者は、敷地及び共用部分等の管理に要する経費に充てるため、管理費等を管理組合に納入しなければならない」「組合員は、納付した管理費等及び使用料について、その返還請求又は分割請求をすることができない。」旨の定めがある。

所見
修繕積立金は、区分所有法には定めがなく、管理規約を根拠として存在するものであるため、形式的には現在の管理規約を変更すれば、修繕積立金の一部返金は可能とも考えられる。
しかしながら、本来、修繕積立金は、マンションの資産価値を維持し、快適な居住環境を確保するために、中長期的な視点で計画的に積立てるものである。
標準管理規約でも、計画的なマンションの維持修繕工事の重要性から、修繕積立金は必ず積み立てることとしている。
管理組合としては、例えばマンションの建替え時期が近づき修繕積立金の必要性が極めて低下した場合等、特別な事情がない限りは、一部返金を安易に取り扱うべきではなく、慎重に検討することが必要である。
なお、修繕積立金の納入額を減額することは、総会決議で実施可能であり、一部返金の代替案として検討する余地はあると思われる。

社団法人高層住宅管理業協会 平成20年度苦情解決事例集より
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分譲時の修繕積立金 標準額算定へ

国土交通省マンション政策室は、6月30日、都内で「マンションにおける修繕積立金および長期修繕計画に関するガイドライン検討会」を開いた。
分譲時の修繕積立金の標準額を算出することで、過度な定額設定の是正を目指す。

国交省は平成20年6月に「長期修繕計画標準様式」を公表し、長計の様式の標準化を図ったが、現在検討会が取り組んでいるのは工事実費逆算による初期設定時の月額修繕積立金の標準化。

マンションでは以前から分譲業者が月額修繕積立金を低く設定し、5年程度ごとに管理会社が管理組合に増額提案するパターン(段階増額積立方式)が多く、今年2月の衆議院国土交通委員会では「意図的は低額提示」が問題視された。
標準様式ガイドラインでは長計期間中の修繕積立金額を均等にする「均等積立方式」を基本としているため、逆算による標準額の提示は通常の設定額より高めになることが予想される。

検討会では、秋までにあと2回会合を開き、戸当たりや階数など標準額の表示単位などについて詰める方針。
年内に強制力の無いガイドラインを作成し、標準様式同様、分譲業者等の参照による金額適正化を目指している。

[マンション管理新聞 2010年第813号より]
(2010.7.26)
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