団地

団地の管理(区分所有法65.66条関係)

一区画内に数棟の建物があり、かつ、その区画内の土地または附属施設が、それらの建物の所有者の共有に属する場合、団地管理組合が構成されます(区分所有法65条)。

<団地が成立するための要件>
・一団地内に「数棟の建物」が建っている
・団地内にある土地附属施設を団地建物所有者で「共有」している

一般的に「団地」というと、数棟並んでいる区分所有建物を思い浮かべると思いますが、区分所有法で定める「数棟の建物」には、区分所有建物のほか、「一戸建て」も含まれます。

<団地の形態>
団地の形態
☞図はこちらのページ(区分所有法 条文の解説)より

団地内の数棟の建物が区分所有建物であれば、その区分所有建物ごとにそれぞれの管理組合(棟管理組合)も生じます。
したがって、団地内に区分所有建物が存在する場合は、団地全体の管理組合と棟ごとの管理組合が併存することになります。

しかし、これでは面倒なので、「団地」では、「団地管理組合」が団地全体を一元的に管理し、各棟の管理組合は事実上活動しなくなる、という形をとるのが一般的です。(マンション標準管理規約の「団地型・複合用途型」も、これを採用しています)
実際の団地でも、「棟の管理組合」主催で集会を開催します、といった通知は届かないのが通常です。

☞参考:保坂つとむの宅建ブログ

団地の管理については、通常の区分所有関係における規定を原則として準用することになっています(法66条)。
ただし、団地全体に及ぼす必要のないものや、一棟ごとに処理すべきであるものは準用されていません。
例えば、敷地利用権、管理所有、義務違反者に対する措置、復旧・建替えなどです。
☞参考:「平成22年版楽学管理業務主任者」(BOOK)より 団地TOPに戻る

団地共用部分(区分所有法67条関係)

団地内の附属施設である建物は、団地規約によって団地共用部分とすることができます(区分所有法67条1項前段)。団地共用部分は団地建物所有者全員の共有に属し、その持分は、団地規約に別段の定めが無い限り、その有する建物又は専有部分の床面積の割合によります(法67条3項、11条1項、14条)。

団地共用部分であることを第三者に対抗するためには、団地共用部分である旨の登記が必要です(法67条1項後段)。

☞参考:「平成22年版楽学管理業務主任者」(BOOK)
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団地規約の設定の特例(区分所有法68条関係)

団地管理組合は、団地内の土地・附属施設を管理しますが、さらに次のものについて、団地規約で定めることによって、団地管理組合が管理することができます(区分所有法68条1項)。
  1. 団地内の一部の建物の所有者の共有又は準共有に属する団地内の土地又は附属施設(区分所有建物以外の建物の所有者のみの共有に属するものを除く)
  2. 団地内の区分所有建物

①について
たとえば下図において、C団地管理組合が管理できるのは通路だけであり、A・B団地の敷地は、それぞれの団地管理組合が行います。しかし、共有者(たとえばA団地の敷地についてA団地管理組合)の4分の3以上で、かつ、持分の4分の3以上を有する者の同意があれば、C団地の規約で、まとめて管理目的物とすることができます。

区分所有法68条関連
②について
①と同様、当該区分所有建物の全部につき、それぞれ集会における区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による決議が必要です。

☞参考:「平成22年版楽学管理業務主任者」(BOOK)
     「マンション法の解説」(BOOK)

例えば、A棟・B棟・C棟の3棟で構成された団地があるとすれば、A棟の共用部分は区分所有法第11条1項によってA棟の区分所有者のみの共有であって、 集会決議(先に記載した4分の3以上の特別決議)がなければ、A棟の共用部分は団地管理組合ではなく、A棟の区分所有者全員によって構成される団体によって管理されることになります。
しかし、先の記事に記載したように、通常は分譲の際に全員の同意により規約(団地が各棟もまとめて管理するという内容)が設定されていますので、この決議はクリアーされていると考えてよいでしょう。

☞参考:NPO法人集合住宅維持管理機構 団地管理組合について より

なお、たとえばA棟の中に、さらに一部共用部分があり、全員の利害に関係しない場合には、その一部共用部分の共有者・議決権の各4分の1以上の反対があれば、団地にて管理できません(68条2項)。
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