マンション建替え2
マンション建替え④実施段階
実施段階の目的は、建替え決議による決定を受けて、実際に建替え事業を実施し、新しいマンションへの再入居、新管理組合の設立を実現することです。
「マンション建替え円滑化法」という新しい法律
区分所有法は、建替え決議については規定していますが、決議成立後の建替え事業の実施についてはなんら規定していません。
しかし、実際の建替え事業においては、この段階で問題が発生し、事業を円滑に進めていくのが困難になることが少なくありませんでした。
この状況を改善するために、平成14年6月に「マンション建替え円滑化法」という新しい法律が施行され、建替え決議成立後の円滑な事業の実施が可能となりました。
マンション建替え組合による建替え事業の実施
建替え決議が成立すると、建替え合意者5名以上が発起人になって、定款及び事業計画を定め、都道府県知事の認可を受けて、マンション建替え組合を設立します。
この建替え組合が建替え事業の事業主体となって事業を進めていくのですが、組合員には建替え合意者以外に、建替え事業に参加することを希望する外部の主体を参加組合員として加えることも可能です。
これによって、デベロッパー等の事業協力者が参加組合員として建替え事業を推進していきます。
区分所有法に基づく受渡請求権の行使とは別に、マンション建替え円滑化法に基づいて売渡請求権を行使することも可能となり、円滑な事業の推進が可能となりました。

☞参考:マンション再生協会発行「マンションの再生」
マンション建替えTOPに戻る
建替え決議の進め方
区分所有法に基づく建替え決議は、区分所有者及びその議決権の各5分の4以上の多数の賛成により成立しますが、その手続きに不備があると決議が無効になってしまうこともあります。
法律に定められた手続きに従って、次のように進める必要があります。
通知事項・説明事項
区分所有法35条に基づく通常の召集通知に加えて(①・②)、62条5項に基づく事項(③~⑥)が必要になります。
- ①集会の目的
- ②議案の要領
- ③建替えを必要とする理由
- ④建替えをしないとした場合における当該建物の効用の維持または回復をするのに要する費用の額及びその内訳
- ⑤建物の修繕に関する計画が定められているときは、当該計画の内容
- ⑥建物につき修繕積立金として積み立てられている金額
決議事項
62条2項に基づき次の内容が必要になります。
- ①新たに建築する建物(以下「再建建物」という)の設計の概要
- ②建物の取壊しおよび再建建物の建築に要する費用の概算額
- ③上記の費用の分担に関する事項
- ④再建建物の区分所有権の帰属に関する事項
☞参考:マンション再生協会発行「マンションの再生」
マンション建替えTOPに戻る
団地型マンションの場合(一括建替え決議)
団地型マンションは、区分所有法70条の一括建替え決議に基づいて、団地内建物の全ての建物について建替えの意思決定を行います。ただし、この制度は団地の構成や権利関係により適用できない場合があるので注意が必要です。
一括建替え決議は、区分所有者及びその議決権の各5分の4以上の賛成に加えて、建物毎に区分所有者及びその議決権の各3分の2以上の賛成が必要です。
一括建替えの適用条件
- ①団地内建物の全部が区分所有建物であること
- ②当該団地内建物の敷地が当該団地内建物の区分所有者の共有にあること
- ③団地管理組合の規約により、団地内の建物が管理の対象とされていること
☞参考:マンション再生協会発行「マンションの再生」
(2011.1)
マンション建替えTOPに戻る
権利変換手続とは
権利変換手続とは、建替え前に存在した区分所有権等を、建替え後の権利に変換することをいいます。つまり、旧権利者に新しい権利を割り当てる手続です。
この権利変換手続について、建替え円滑化法では、専有部分の賃借人や区分所有権又は敷地利用権に対する抵当権者等についても、権利変換することが明確に規定されています。
区分所有法では、この点に対する配慮が無く、個別に賃借人や抵当権者と話合いをして解決するしかありませんでした。
権利変換計画は、次のような手続で決定されます(円滑化法30条3項、57条、67条)。
- 組合員の議決権及び及び持分割合の各5分の4以上の議決
- 組合員以外の権利者(抵当権者、賃借人等)の同意(ただし、同意を得られないときは、その同意を得られない理由及び同意を得られない者の権利に関し損害を与えないようにするための措置を記載した書面を添えて認可を申請できる)
- 審査委員の過半数の同意
- 都道府県知事の認可
☞参考:
「楽学管理業務主任者(平成22年度)」(BOOK)
(2011.1)
マンション建替えTOPに戻る