マンションの外壁工事 2



鉄筋コンクリートの劣化原因と調査方法③アルカリ骨材反応

アルカリ骨材反応は、骨材中のある種の反応性成分がセメント中に含まれているアルカリ分と反応し、生成物がコンクリート中の水分で吸水膨張することで、コンクリートにひび割れを発生させるものです。
コンクリートは全体積の約70%が骨材(砂利や砂)であり、アルカリ骨材による膨張は構造耐力の低下を招く危険性もある劣化現象であるといえます。

アルカリ骨材反応によるひび割れは、膨張性のひび割れであり、一般的には亀甲状となります。
アルカリ骨材反応によるひび

調査方法
アルカリ骨材反応の調査では、構造物の目視調査を行い、ひび割れ・生成物の発生状況・水分供給の有無などを把握します。また、必要に応じて構造物よりコンクリートコアを採取し、生成物の観察や、使用されている骨材の反応性を試験により確認します。
反応性を有する骨材と判断された場合には、今後どの程度膨張が発生するのかを残存膨張試験で確認します。

☞参考:㈱コンクリート診断センター
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鉄筋コンクリートの劣化原因④凍害

凍害は、一般的に水と直に接する機会が多く気象の厳しい地域に多く発生します。
水が凍結すると拘束の無い場合、約9%膨張します。
生コンが柔らかいうちは、内部の水が分離して上昇しますが、このときに内部に水の通り道(略して「水ミチ」)ができます。
また、コンクリートが乾燥したときには、水分が蒸発し、微細な隙間ができます。こうしてできたコンクリート内部の隙間に水が浸入し、その水が凍ったり溶けたりを繰り返すと、コンクリートにはひび割れや表面の剥離が生じます。これが凍害です。

凍害によるスケーリング(表面剥離)・ポップアウト(骨材膨張による円錐状剥離)
凍害
☞参考:画像>独立行政法人土木研究所HPより
☞参考:本「よくわかるコンクリート基本と仕組み:発注者も施工者も知っておきたい基礎知識」
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鉄筋コンクリートの劣化原因と調査方法⑤ひび割れ

「コンクリートにひび割れはつきもの」と言われることがあります。
確かにひび割れの無いコンクリートはまれですし、ひび割れがただちにコンクリートの耐久性に重大な影響をもたらすと言うことはありません。ひび割れはある程度までは容認するのが一般的です。

補修が必要なひびわれの幅
ひび割れの原因はさまざまですが、大半は乾燥収縮が原因です。
コンクリートは、ほとんど伸びることが無いため、少しの変形でもひび割れが生じるのです。1mのコンクリートを両端から引っ張ると、わずか0.1~0.2mm伸びただけでひび割れが生じます。
コンクリートは完全に乾燥させた場合、配合(主に練り水の量)にもよりますが、1mあたり0.5mm程度縮みます。この収縮に対し、コンクリートの大きさを保つためには0.5mm程度引っ張って長くする必要があります。
この変形はコンクリートの伸び性能を大きく上回るため、コンクリートを完全に乾燥させると(通常そのようなことはありません)、コンクリートはひび割れを免れないことがわかります。
乾燥収縮ひび割れは、水分の蒸発による体積収縮が原因です。従って、練り水の量を少なくするほど、打設時に生コンを蜜実に締め固めて水を逃げにくくするほど、コンクリートの強度を大きくするほど、生じにくくすることができます。

調査方法
ひび割れの調査は、目視によりひび割れの形状・幅、発生位置などから劣化原因の推定を行います。目視などで調査することができないひび割れ深さなどは、超音波法などにより測定を行います。
前述のとおり、原因の多くは乾燥収縮によるもので、一般的な建物の場合、発生からおよそ2~3年で収まります。しかし、ひび割れの中には、中性化、塩害、不同沈下など、放置しておくと劣化がすすみ、後に多大な工事費を必要とする場合もあり、原因の推定においては十分な知識と経験を要します。

ひび割れ調査
☞参考:本「よくわかるコンクリート基本と仕組み:発注者も施工者も知っておきたい基礎知識」
☞調査方法の説明と画像:㈱コンクリート診断センターHP>コンクリート診断
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鉄筋コンクリートの劣化原因と調査方法⑥鉄筋の腐食

鉄筋のかぶり厚さとは、鉄筋表面とこれを覆うコンクリート表面までの最短距離をいい、鉄筋コンクリート部材の耐久性はもとより、耐火性および構造性能を確保するうえで重要なものとなります。
特に建築物の場合、構成する各部剤の鉄筋のかぶり厚さは建築基準法施工令によって、その最小値が定められています。
鉄筋の腐食とも大きく関係しているため、調査の一環として測定を行います。

調査方法
・鉄筋のかぶり厚さ調査
鉄筋コンクリート構造物中の配筋状態は、原則として非破壊試験を用います。(鉄筋の腐食等の調査において、はつり調査を行う場合などは実測により測定します)
非破壊試験による調査方法には次のようなものがあります。
 ・電磁波レーダ法
 ・電磁誘導法
 ・X線透過撮影法
※各試験の概要については、こちら(日本建築総合試験所「鉄筋コンクリート構造物の被破壊鉄筋探査)をご参照ください。

・鉄筋の腐食度調査
建物資料・外観目視検査より、鉄筋腐食の可能性があると判定された場合には腐食度調査を行います。主な調査方法としては電気化学的特性値測定による方法や、はつり調査があります。

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コンクリートの強度調査

コンクリート構造物はコンクリートの圧縮強度を基に設計が行われおり、圧縮強度が保たれているかどうかは劣化のしやすさと関係があり重要です。強度を測定することは土木関係の試験の中で基本的なものの一つとなっており、さまざまな測定方法があります。以下にコンクリート強度測定の代表的なものを示します。
・コンクリートコア採取法
構造物からコンクリートコア試験体を採取し、試験室で圧縮強度を測定します。コアの採取に関してはJIS A 1107、試験方法に関してはJIS A 1108に準じて行い、破壊に至るまでの最大荷重を試験体の断面積で除したものを圧縮強度とします。
・反発硬度法
反発硬度法はコンクリートの圧縮強度を推定する方法の1つで、テストハンマー(シュミットハンマー)でコンクリート表面を打撃し、その反発硬度から圧縮強度を推定する方法です。非破壊で、かつ現場で簡単に圧縮強度を推定できる汎用性の高い方法です。


調査方法
・鉄筋のかぶり厚さ調査
鉄筋コンクリート構造物中の配筋状態は、原則として非破壊試験を用います。(鉄筋の腐食等の調査において、はつり調査を行う場合などは実測により測定します)
非破壊試験による調査方法には次のようなものがあります。
 ・電磁波レーダ法
 ・電磁誘導法工法と材料
 ・X線透過撮影法
※各試験の概要については、こちら(日本建築総合試験所「鉄筋コンクリート構造物の被破壊鉄筋探査)をご参照ください。

・鉄筋の腐食度調査
建物資料・外観目視検査より、鉄筋腐食の可能性があると判定された場合には腐食度調査を行います。主な調査方法としては電気化学的特性値測定による方法や、はつり調査があります。

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ひび割れに用いる改修工法と材料


※エポキシ樹脂とは
1分子の中に「エポキシ基」が2個以上存在する樹脂をエポキシ樹脂といいます。
代表的なものには、2液を混ぜ合わせて使用する接着剤があげられます。
「主剤」と「硬化剤」の2本のチューブがあり、それらをよく混ぜると固まるタイプです。
2種類を混ぜ合わせてまでなぜ使用されるのか?
それはエポキシ樹脂に卓越した特性があるからです。
金属やコンクリートに対する接着性が強く、強度も優れている。しかも耐磨耗性・耐薬品性・耐水性・絶縁性にも優れた万能樹脂なのです。
船舶の塗料や半導体分野、建設現場の接着剤など広い分野で使用されています。

※可とう性とは
柔軟性があり、折り曲げてもポキンと折れない性質です。
「弾性」と似ていますが、可とう性は伸びる性能は弾性ほど大きくありません。
その意味では「微弾性」という表現もできます。

※パテとは
粘土のように自由自在に形を変えられるもので、形を作ってそのまま時間が経てば硬化して、プラモデルパーツと同じようにヤスリで削れたり塗装できる素材です。

シール工法
ひび割れを、可とう性エポキシ樹脂等で被覆する工法です。

シール工法
Uカットシール工法
ひび割れを、ダイヤモンドカッター等でU字型にカッティングし、可とう性エポキシ樹脂などを充填する工法です。
防水性能に優れ、ひび割れの動きにも追従します。

Uカットシーリング工法
樹脂注入工法
エポキシ樹脂を注入する工法です。
低圧注入工法
 低圧・低速でひび割れにエポキシ樹脂を注入する工法です。
 微細なひび割れにも注入が可能で、ひび割れによって分断されたコンクリートやモ
 ルタルを一体化し、耐力を復元します。
低圧注入工法
直接注入工法
 ひび割れ部に仮止めシールを行わず、直接弾力性エポキシ樹脂を注入する工法で
 ひび割れの動きに追従でき、防水性にも優れ、とてもシンプルな工法で、1日で作
 業が終了します。

直接注入工法
参考:㈱月形HP
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