都市計画法



区域区分(市街化区域と市街化調整区域)

区域区分とは、都市計画区域について、無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図る必要があるときに、その都市計画区域を市街化区域市街化調整区域とに区分することをいいます。
これを実務上、線引きといい、その都市計画区域を線引都市計画区域といいます。
これに対して、区分されていない場合を非線引きといい、その都市計画区域を非線引都市計画区域といいます。

市街化区域とは
すでに市街地を形成している区域、及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域をいいます。要するに、市街化区域は、街づくりを進めていく区域です。
市街化調整区域とは
市街化を抑制すべき区域をいいます。要するに、市街化調整区域は、街づくりを抑え、自然を残していく区域です。だいたい、都市近郊の山林や農村地帯なんかに指定されることが多いようです。

☞:参考「うかる!宅建総合テキスト」
都市計画法TOPに戻る


地域地区

都市計画法は、都市計画区域の指定、区域区分の制度と共に、計画的な住みよい街づくりを実現するため、様々な地域地区を定めています。
地域地区は、基本的地域地区と補助的地域地区とに分かれます。

基本的地域地区
基本的地域地区とは、建築物の使い方(用途)に応じて、土地の利用を区分したもので、用途地域と呼ばれます。
住居系(7種類)、商業系(2種類)、工業系(3種類)があります。

1.住居系の地域地区
  1. 第一種低層住居専用地域
    低層住宅にかかる良好な住居の環境を保護するため定める地域
  2. 第二種低層住居専用地域
    主として低層住宅にかかる良好な住居の環境を保護するため定める地域
  3. 第一種中高層住居専用地域
    中高層住宅にかかる良好な住居の環境を保護するため定める地域
  4. 第二種中高層住居専用地域
    主として中高層住宅にかかる良好な住居の環境を保護するため定める地域
  5. 第一種住居地域
    住居の環境を保護するため定める地域
  6. 第二種住居地域
    主として住居の環境を保護するため定める地域
  7. 準住居地域
    道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便の促進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するため定める地域

覚え方:第二種=主として、住居地域=住居のための地域、準住居=住居は2の次・・と訳しまショ。

2.商業系の用途地域
  1. 近隣商業地域
    近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業その他の業務の利便を増進するため定める地域。
  2. 商業地域
    主として商業その他の業務の利便を増進するため定める地域

3.工業系の用途地域
  1. 準工業地域
    主として環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便を増進するため定める地域
  2. 工業地域
    主として工業の利便を増進するため定める地域
  3. 工業専用地域
    工業の利便を増進するため定める地域

用途地域と区域区分の関係
市街化区域には、用途地域を定めなければなりません。
市街化調整区域には、原則として用途地域を定めてはいけません。

補助的地域地区
基本的地域地区(用途地域)による土地利用の区分をさらに細分化する等して、土地の合理的利用を促進するものです。
補助的地域地区には、1.用途地域内においてのみ、一定の目的を達成するため、さらに規制したもの、2.用途地域の内外を問わず、土地利用を規制したもの、 3.用途地域外(市街化調整区域を除く)でのみ、定めることができるもの、があります。
(主なもの)
1.用途地域内においてのみ定めるもの
特別用途地区
用途地域内の一定の地区におけるその地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るため用途地域の指定を補完して定める地区。
高層住宅誘導地区
住居と住居以外の用途とを適正に配分し、利便性の高い高層住宅の建設を誘導するため、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域又は準工業地域で、容積率が40/10又は50/10と定められたもののうちにおいて、一定の規制を定める地区。
高度地区
用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さを規制する地区。
高度利用地区
用途地域内の市街地における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図るため、一定の規制を定める地区。
特例容積率適用地区
適正な配置及び規模の公共施設を備えた土地の区域において、建築物の容積率の限度からみて未利用となっている建築物の容積の活用を促進して土地の高度利用を図るため定める地区。

2.用途地域の内外を問わず定めるもの
特定街区
市街地の整備改善を図るため街区の整備又は造成が行われる地区について、一定の規制を定める地区。
防火地域・準防火地域
市街地における火災の危険を防ぐための地域。
景観地区
市街地の良好な景観の形成を図るため定めることができる地区。
風致地区
都市の風致を維持するために定める地区。

3.用途地域外(市街化調整区域を除く)でのみ定めるもの
特定用途制限地区
良好な環境の形成、又は保持のためその地域の特性に応じて合理的な土地利用が行われるよう、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地区。

☞:参考「うかる!宅建総合テキスト」
都市計画法TOPに戻る